• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2014 年度 実施状況報告書

抗菌ペプチドの膜中での構造変化と相互作用の解析

研究課題

研究課題/領域番号 26440072
研究機関北海道大学

研究代表者

相沢 智康  北海道大学, 先端生命科学研究科(研究院), 准教授 (40333596)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード微生物 / ペプチド / 抗菌
研究実績の概要

抗菌ペプチドの活性発現機構の解明に、NMR法による解析を応用することを目的として、まず、NMR法での解析に有効である安定同位体標識ペプチドの調製法の検討を中心に研究を進めた。組換え抗菌ペプチドの発現の際には、発現宿主に対する毒性やペプチドの分解が大きな問題となる。そこで、この抑制に効果が高いと考えられる、共発現による不溶性顆粒形成の促進技術を中心に、種々の抗菌ペプチドの安定発現技術の検討を進めた。
その結果、複雑なジスルフィド結合の形成が試料調製の際に問題となる哺乳類由来defensinにおいて、発現及びリフォールディングを高効率で進める条件を見出し、安定同位体標識ペプチドの調製にも成功した。同様に複雑なジスルフィド結合の形成が試料調製において重要である、植物由来snakinについても、高効率の発現に成功した。また、線虫由来cecropin P1については、キャリアタンパク質を用いて融合ペプチドとして発現する際に、宿主内での毒性の制御にcecropin P1とキャリアタンパク質間の相互作用の制御が重要であることがを明らかにした。
さらに、一連の成果により得られた安定同位体標識試料を活用した、NMR法による解析を開始した。哺乳類由来defensinについては、活性制御に重要な役割を担うと考えられている、多量体形成に関する検討を進め、その多量体形成界面に関する情報を得ることに成功した。また、cecropin P1については、グラム陰性菌の外膜構成成分であるLPSミセルとの相互作用解析を進め、その相互作用に、C末端側に存在する疎水性残基クラスターが重要な役割を担うことを新規に明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の研究実施計画に基づき、初年度はNMR法による解析に安定同位体標識ペプチドの調製技術の検討を中心に研究を進めた。得られた試料を用いた解析により特徴的な成果を得ることにも成功しており、研究全体として、おおむね順調に進展しているといえる。

今後の研究の推進方策

試料の効率的な調製が研究の推進には重要な課題であるため、引き続き、試料調製法の改良を進めると共に、得られた試料を用いた解析に本格的に着手する。

次年度使用額が生じた理由

計画で予定していた消耗品の購入を一部、次年度以降に予定しているため。

次年度使用額の使用計画

次年度以降、研究計画の進捗に応じて、消耗品の購入を進める。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (6件)

  • [学会発表] Elucidation of influential factor for heterologous productivity of the antimicrobial peptide, cecropin P1 using Escherichia coli2014

    • 著者名/発表者名
      Abe, C., Nakazumi, T., Beak, M., Kamiya, M., Kikukawa, T., Kawano, T., Demura, M. Aizawa, T.
    • 学会等名
      第51回ペプチド討論会
    • 発表場所
      徳島大学(徳島市)
    • 年月日
      2014-10-22 – 2014-10-22
  • [学会発表] 抗菌ペプチドcecropin P1の大腸菌発現系における発現効率に影響を与える要因の解明2014

    • 著者名/発表者名
      阿部千春, 中住太一, 神谷昌克, 菊川峰志, 河野敬一, 出村誠, 相沢智康
    • 学会等名
      日本生物物理学会第52回年会
    • 発表場所
      札幌コンベンションセンター(北海道)
    • 年月日
      2014-09-27 – 2014-09-27
  • [学会発表] 抗菌ペプチド human defensin 5のNMRによる多量体形成機構の解析2014

    • 著者名/発表者名
      橋本革, 冨澤聡, 神谷昌克, 菊川峰志, 熊木康裕, 中村公則, 綾部時芳, 相沢智康, 出村誠
    • 学会等名
      日本生物物理学会第52回年会
    • 発表場所
      札幌コンベンションセンター(北海道)
    • 年月日
      2014-09-27 – 2014-09-27
  • [学会発表] 再構成無細胞系を用いた抗菌ペプチドの直接発現2014

    • 著者名/発表者名
      冨澤聡, 神谷昌克, 菊川峰志, 出村誠, 相沢智康
    • 学会等名
      日本生物物理学会第52回年会
    • 発表場所
      札幌コンベンションセンター(北海道)
    • 年月日
      2014-09-25 – 2014-09-25
  • [学会発表] NMRおよびドッキングによる抗菌ペプチドとリポ多糖の複合体構造解析2014

    • 著者名/発表者名
      櫛引崇弘, 神谷昌克, 相沢智康, 熊木康裕, 菊川峰志, 水口峰之, 出村誠, 川畑俊一郎, 河野敬一
    • 学会等名
      日本生物物理学会第52回年会
    • 発表場所
      札幌コンベンションセンター(北海道)
    • 年月日
      2014-09-25 – 2014-09-25
  • [学会発表] 再構成無細胞系を用いた短鎖ペプチドの直接発現2014

    • 著者名/発表者名
      冨澤聡, 神谷昌克, 菊川峰志, 出村誠, 相沢智康
    • 学会等名
      第14回日本蛋白質科学会年会
    • 発表場所
      ワークピア横浜・横浜産貿ホール(神奈川県)
    • 年月日
      2014-06-27 – 2014-06-27

URL: 

公開日: 2016-05-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi