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2017 年度 実績報告書

ATP合成酵素VoV1内の2つの回転分子モーターの連動-駆動力伝達の仕組み-

研究課題

研究課題/領域番号 26440084
研究機関大阪医科大学

研究代表者

古池 晶  大阪医科大学, 医学部, 講師 (60392875)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワードATP合成酵素 / 分子モーター / 1分子観察
研究実績の概要

ATP合成酵素(VoV1またはFoF1)は、水溶性のV1(またはF1)モーター(ATP合成/分解)と膜内在性のVo(またはFo)モーター(膜内外のプロトン透過/輸送)の2つのモーターが共通の回転棒で連結されている。そのため、これら2つのモーターは独立には回転できず、必ず連動して機能を産み出す。つまり、ATP加水分解の素過程(ATP結合・分解・解離など)とプロトン輸送の素過程(プロトンの結合・分子内移動・解離など)は、それぞれ必ず対応付けられる。その対応付けに、モーター間の駆動力の伝達に分子内弾性が寄与しているか否かを、1分子観察で明らかにすることが本研究の目的である。F1は、V1と高い構造類似性を持ち、かつ詳細な回転メカニズムが分かっているため、その分子内の回転棒の弾性を変化させ、その回転運動への影響を調べた。
回転棒の中央部分(回転棒を包み込む円筒状のサブユニットと接触していない)に、ランダムコイルを形成するアミノ酸配列(自由連結鎖)を導入したF1変異体を作製した。この変異体の回転棒は、野生型と比べ、回転及び曲げ弾性率が低いはずである。
回転運動は、回転棒上部に、1)(負荷状態)プラスチックの2個連結ビーズ(直径280 nm)をつけて、または2)(無負荷状態)金微小ビーズ(直径40 nm)をつけて、それぞれのビーズを光学顕微鏡下で高速撮影することで調べた。回転棒は、2本のαヘリックスで構成されている。1本のαヘリックスだけに自由連結鎖を導入した場合、回転速度は野生型と比較して、負荷状態で~75%、無負荷状態で~100%であった。また、2本のαヘリックスともに自由連結鎖を導入した場合、回転速度は野生型と比較して、負荷状態、無負荷状態でそれぞれ30~40%であった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018 2017

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 自由連結部位で繋がれた回転シャフトを持つF1-ATPase の回転2018

    • 著者名/発表者名
      古池晶, 曽我直樹, 牧泰史, 吉田秀司
    • 学会等名
      日本物理学会 第73回年次大会
  • [学会発表] Single α-helix alone in a shaft of F1-ATPase cannot fully transmit the torque but closely cooperate with the stator2017

    • 著者名/発表者名
      Shou Furuike, Yasushi Maki, Hideji Yoshida
    • 学会等名
      日本生物物理学会 第55回年会

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公開日: 2018-12-17  

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