研究課題/領域番号 |
26440096
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
細川 暢子 京都大学, 再生医科学研究所, 准教授 (00263153)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | タンパク質品質管理 / 小胞体 / シャペロンタンパク質 / 小胞体関連分解 / 糖タンパク質 / マンノシダーゼ / ユビキチンリガーゼ複合体 |
研究実績の概要 |
小胞体膜に存在するユビキチンリガーゼ複合体HRD1-SEL1Lに関する研究成果を論文として発表することができた。この複合体は、小胞体内でミスフォールドしたタンパク質の分解(小胞体関連分解)に関わる重要な分子である。私たちはSEL1Lが不安定なタンパク質であることを見いだしていたが、今回、SEL1Lタンパク質の膜貫通領域がタンパク質の不安定性を担っていること、この膜貫通領域がHRD1と複合体を形成することによって、SEL1Lタンパク質は安定に存在することができ、また同時に小胞体関連分解を正しく制御することができることを明らかにした。 また、新規小胞体シャペロンタンパク質であると考えられるタンパク質に関する機能解析の論文を投稿し、現在revise中である。さらにこれらのタンパク質に関して、大腸菌を用いてリコンビナントタンパク質の精製を行い、X線結晶構造解析を行うことができた。これらの結果をもとに、小胞体内でのシャペロンタンパク質の機能解析をさらに進めることができると期待される。 糖タンパク質の品質管理に重要な役割を果たすEDEMファミリータンパク質の機能解析に関して、細胞内における機能を、精製したタンパク質を用いたin vitro (試験管内) の実験系で再現することを試みている。EDEMタンパク質がどのような分子メカニズムでタンパク質品質管理を行っているのかを解明することができると期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本年度、論文を1報発表することができた。また現在もう1報の論文に関してrevise中である。さらに当初想定されていたものとは異なる予想外の結果を得ることができ、研究が大きく進展した。また、精製したタンパク質を用いたX線結晶構造解析にも成功するなど、当初の計画以上の進展が得られた。
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今後の研究の推進方策 |
基本的には当初の研究計画に従って研究を進めていく。現在revise中の論文に関しては追加実験を行い、論文として発表できるように努める。また、大きな進展があった項目については特に精力的に研究を進めて行く予定である。
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