研究課題
減数分裂は遺伝的多様性を生み出し、配偶子形成に必須であるがその制御機構に関しては不明な点が多い。本研究では、減数分裂に特有の諸現象を協調的に進行させる制御機構の解明を目指す。特に、(1)減数分裂前DNA複製と遺伝子組換え開始の制御機構、(2)減数分裂前DNA複製と第一減数分裂開始の制御機構、 (3)フォークヘッド型転写因子による第一減数分裂開始と遺伝子組換え開始の制御機構、及び(4)減数分裂前DNA複製の開始の制御機構を分裂酵母をモデルとして研究することにより、減数分裂過程の開始から減数分裂前DNA合成及び第一減数分裂までの減数分裂の制御機構を明らかにすることを目的とした。(1)から(3)に関して、DNA複製と遺伝子組換え開始、さらには第一減数分裂開始を連携するチェックポイント因子の中でも、最も下流に位置すると考えられるCds1キナーゼのターゲットの一つが、転写因子Mei4であることを明らかにした。実際、Cds1キナーゼが認識する配列を変異させた株では、DNA阻害をしているにもかかわらず、遺伝子組換え開始の指標である二重鎖切断が観察できたが第一減数分裂は起こらなかった。他のフォークヘッド型転写因子に関しては、解析を継続中である。その原因は、破壊株が減数分裂に効率良く進行しないため、減数分裂の表現型が解析できてないからである。(4)に関しては、meiRNAの破壊株はフェロモンシグナルがないと、減数分裂前DNA合成ができないが、転写活性化因子Rep1を過剰発現すると抑圧された。さらに解析を続けた結果、 rep1 mRNAはMmi1により分解制御されている可能性が高まった。
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