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2017 年度 実績報告書

神経前駆細胞の活性化と栄養状態を結ぶシグナリングネットワークの解明

研究課題

研究課題/領域番号 26440116
研究機関東京大学

研究代表者

福山 征光  東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 講師 (20422389)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワード発生遺伝学 / PTCHD / 線虫 / 栄養応答
研究実績の概要

ptr-18とヘッジホッグ関連因子grl-7の発現のより詳細な時空間的パターンを、前年度作成したfosmidゆらいのレポーター遺伝子を用いて調べた。PTR-18::GFPは胚発生後期の三つ折期前期より表皮組織の頂端側の細胞膜に局在するが、孵化直前に細胞膜での発現が一気に減少し、細胞質内に粒状に分布した後に孵化後で検出されなくなることを見出した。それに対してGRL-7::mCherryは三つ折期後期より表皮組織の頂端側の細胞外と考えられる領域に分布が認められ、孵化後に細胞質内に粒状に局在、孵化後11時間後には再び頂端側に分布するという発現パターンを見出した。以上より、PTR-18もGRL-7も発生の進行に伴いダイナミックな発現変化を示すことが明らかとなった。
ptr-18変異体は、貧栄養状態下において、神経前駆細胞の静止期を維持することができない表現型を示す。これまでに我々は、grl-7の機能阻害が、この表現型を顕著に抑制することから、ptr-18はgrl-7の上流で機能する可能性を見出していた。そこで、ptr-18がgrl-7の発現パターンに作用する可能性を、上に述べたレポータ遺伝子を用い検討した。ptr-18変異体では、野生型と比較して、孵化前後に認められるGRL-7::mCherryの頂端側から細胞質内の粒状へ発現パターン変化が顕著に遅延することを見出した。これに対し、grl-7と同様に神経前駆細胞の静止期からの活性化に寄与するヘッジホッグ関連因子grd-5やgrd-10のレポータータンパク質には、ptr-18の機能阻害は影響を及ぼさない。よって、ptr-18はGRL-7を含む特定のヘッジホッグ関連因子の局在制御を介してその活性を抑制する可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2018 2017 その他

すべて 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] 頭部神経系と栄養貯蔵組織における栄養応答システムの協調機構の解明新学術創成研究機構2018

    • 著者名/発表者名
      福山 征光
    • 学会等名
      金沢大学新学術創成研究機構 革新的統合バイオ研究コア 栄養・代謝研究ワークショップ.
    • 招待講演
  • [学会発表] C. elegansにおいて静止期前駆細胞の活性化を制御する食餌中の栄養分子と遺伝子の解明2017

    • 著者名/発表者名
      福山 征光
    • 学会等名
      第50回日本発生生物学会
    • 招待講演
  • [図書] Reproductive and Developmental Strategies, Diversity and Commonality in Animals2018

    • 著者名/発表者名
      Masamitsu Fukuyama
    • 総ページ数
      印刷中
    • 出版者
      Springer Japan
  • [備考] 東京大学大学院薬学系研究科・生理化学教室 ホームページ

    • URL

      http://www.f.u-tokyo.ac.jp/~seiri/

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公開日: 2018-12-17  

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