動物個体内に多様な細胞種が作られる仕組みを理解するため、魚類の色素細胞発生をモデルとして種々の転写因子の細胞運命決定における作用機序を研究してきた。 本研究では、色素細胞発生への関与が示されていたSox10とSox5が相互作用する可能性を、メダカとゼブラフィッシュを材料として検証した。 Sox10は両魚種が共通に持つ3種類の色素細胞の発生に必須であり、Sox5はゼブラフィッシュではSox10の作用をわずかに阻害することが分かった。一方、メダカでSox5は黒色と虹色の発生においてSox10に阻害的であったが、黄色と白色ではSox5とSox10の作用は協調的で、黄色の形成を促進し白色の形成を抑制した。
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