抑制型転写因子であるHes1は、発現振動という新しい制御機構によって未分化細胞の維持や分化を制御している。しかし、その発現振動を制御する細胞内の分子機構はほとんど明らかになっていなかった。我々は、Hes1タンパク質の機能制御に焦点をあて、Hes1と結合するタンパク質因子の網羅的同定を行ってきた。その中から、Hes1タンパク質のユビキチン化状態を制御して安定化する新規脱ユビキチン化酵素(DUB)群を同定し、その機能を報告した。また、Hes1点変異体の解析からHes1の機能制御に重要な翻訳後修飾部位を同定し、並びに、リコンビナントHes1に結合する新規因子群を同定しており、現在も解析を進めている。
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