研究課題/領域番号 |
26440130
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
小田 康子 (秋山康子) 大阪医科大学, 医学部, 非常勤講師 (80426650)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ゲノム / RNA干渉 / RNA-seq / ヘッジホッグ / 初期発生 |
研究実績の概要 |
本研究では、調節的な発生において位置情報と細胞の行動がどのように制御されるかを理解することを目指し、オオヒメグモの初期胚を実験系として、パターン形成や細胞移動等の制御に関わるヘッジホッグシグナルに注目している。昨年度までに、ヘッジホッグシグナルにより制御される遺伝子をゲノムワイドに探索した。そして同定した遺伝子のうち、ヘッジホッグシグナルとの関連が強く見られた約100遺伝子の初期胚における発現をin situ hybridizationにより解析した。 本年度はまず、同定した遺伝子の初期胚における発現パターンを蛍光in situ (FISH)の手法を用いて詳細に解析した。同時に2~3遺伝子の発現を可視化したところ、初期胚の細胞に遺伝子発現レベルで様々な状態が作られていることが分かり、ヘッジホッグによる制御の複雑さを示すことができた。続いて、同定した遺伝子のうち1つの機能解析を開始した。この遺伝子をpRNAiによりノックダウンすると体節をもつ胚帯への形態変化と多くの遺伝子の発現変化が滞ることが分かった。さらにRNAiとRNA-seqによる遺伝子探索を行い、頭部、胸部、後体部の各領域で縞パターンで発現する遺伝子を同定した。これは今後、パターン形成が発展していく様子を解析する手がかりとなる。本研究での成果を夏にスウェーデンで開催されたヨーロッパ進化発生生物学会で発表した。学会では海外の研究者とディスカッションすることができ、非常に有意義であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
論文としてまとめるデータが揃いつつあり、また、パターン形成に関する新たな知見を得つつあるため。
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今後の研究の推進方策 |
胚盤から胚帯への遺伝子発現変化をFISHで解析し、発現を数値的に解析する。 日本発生生物学会と国際発生生物学会で発表し、さらに論文として発表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究の成果を上記の学会で発表するため。
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次年度使用額の使用計画 |
学会参加費として使用する。
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