被子植物の生殖は、花粉の柱頭への付着(受粉過程)ではじまり、花粉管の胚珠への誘引を経て受精が成立する。これら一連の過程では、雌蕊と花粉との細胞間コミュニケーションにより適切な花粉(和合花粉)が選抜される。研究代表者はこれまでに、この細胞間コミュニケーションに、Ca2+や活性酸素が関与することを示し、和合花粉の発芽・伸長を誘導する雌蕊側のCa2+輸送体を同定してきた。本研究では、細胞生物学的解析により、和合受粉時の乳頭細胞内で細胞内膜系と細胞膜との密接な相互作用を可視化し、生化学的解析により、受粉時の乳頭細胞膜で機能するCa2+輸送体と相互作用する分子種を見出した。
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