副腎ステロイド受容体は、副腎皮質から分泌される副腎ステロイドと結合して動物の内分泌の恒常性維持の機構に関与している。しかし、高等脊椎動物で認められる副腎ステロイド受容体による内分泌恒常性維持機構は生物進化のどの段階から出現したのかは未だ不明である。本研究課題は、生物進化における副腎ステロイド受容体遺伝子の出現と機能獲得のプロセスの解明を目指した。その結果、ガーやチョウザメという古代魚の進化段階からヒトと同様に副腎ステロイド受容体遺伝子を持つこと、また機能的にもヒトの受容体と同等の能力を有することを明らかにした。以上の成果は副腎ステロイド受容体の分子進化を解明する上で重要な手がかりとなる。
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