多細胞体制をとる褐藻類には隣接細胞間の物質のやりとりを可能にする細胞間連絡構造である原形質連絡が存在している。褐藻類の原形質連絡は直径10-20 nmの管状の構造で、発生段階により出現・分布の異なっていること、細胞質分裂時に形成される一次原形質連絡と成熟した隔壁に新たに形成される二次原形質連絡が存在していることが電子顕微鏡の観察から明らかになった。蛍光標識デキストランを使用した観察から、多列形成的な体制をとる褐藻類では20 - 40 kDa、原形質連絡が隔壁の一箇所に集中して存在するピットフィールドを形成している場合は3 - 10 kDaのところに排除分子量が存在していることが示されている。
|