両生類の体液恒常性に関わる脳部位と脳内アンギオテンシンⅡの役割を調べた。中枢神経系において、第3脳室周囲部は血液脳関門を欠いており、細胞外液の状態を感知する役割をもつ。クローニングしたアマガエルTRPV1とTRPV4はリアルタイムPCRによる各体組織における発現解析では体液変動による影響は無かった。c-Fos免疫陽性ニューロンは終脳視索前野の小細胞性視索前核、室傍核、視交叉上核、間脳視床下部の前結節において観察された。脱水処理によりこれら全ての神経核でc-Fos活性が高まった。アンギオテンシン1型受容体は、脳室前壁背側の中隔核に局在し、中隔核と室傍核の機能的な連絡の可能性が示唆された。
|