| 研究課題/領域番号 |
26440165
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| 研究機関 | 静岡大学 |
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研究代表者 |
鈴木 雅一 静岡大学, 理学部, 教授 (60280913)
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| 研究分担者 |
宇根 ユミ 麻布大学, 獣医学部, 教授 (40160303)
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| 研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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| キーワード | アクアポリン / 両生類 / 無尾類 / 有尾類 / 水輸送 |
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| 研究実績の概要 |
1. 無尾類における水輸送機構：1)アフリカのサヘルに生息する無尾類における水輸送機構；Ouedraogo博士の協力により、アフリカ・ブルキナファソで乾季に野生のツメガエルを採取し、in vitroの実験系で、皮膚の水透過性を解析したが、個体差が大きく、水中時と減水時で有意差は認められなかった．2)ネッタイツメガエルの減水時における膀胱でのAQPの発現動態；ネッタイツメガエルを減水条件に曝し、膀胱における膀胱型AQPa2、AQP5、AQP3の局在の変化を免疫蛍光染色により解析した．膀胱型AQPa2とAQP5の細胞内分布に関しては、新規のデータが得られたが、AQP3に関しては、結果の一部が以前のものと異なっていた．その原因を調べたところ、ネッタイツメガエルの個体そのものの生理状態が以前の個体と異なっている可能性が高いという結論に達した．今後、ネッタイツメガエルの供給元に相談し、状態の良い個体を分与してもらう予定である．
2. 有尾類における水輸送機構：Hillyard博士と共同で進めている、陸生の有尾類・ブチイモリにおける水輸送機構の解析については、下腹部皮膚での研究成果を纏め、論文を作成している． 膀胱については、膀胱型AQPa2とAQP5のcDNAのコード領域の塩基配列を決定した．RT-PCRにより、AQPa2とAQP5のmRNAが、浸水時、脱水時、再浸水時のいずれにおいても膀胱で発現していることが判明した．さらに、免疫蛍光染色により、AQP5タンパク質が顆粒細胞の頂部側に局在することが示された．
3. 無尾類の水ホメオスタシスに与えるツボカビの影響：宇根博士と共同で研究を進め、樹上生のイエアメガエルでは下腹部皮膚における水輸送がツボカビの影響を受けるという結果が得られた．現在、AQPの免疫蛍光染色を行っている．
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成27年度の研究計画は、①無尾類における水輸送機構、②有尾類における水輸送機構、③無尾類の水ホメオスタシスに与えるツボカビの影響について研究を進めることであったが、主要な研究は行われ、研究結果が得られている．①については、予想していた結果とは異なってしまったが、②については、ブチイモリに関して現在論文を作成中であり、③については、イエアメガエルに関して免疫蛍光染色の結果とswellingアッセイの結果が得られれば、成果を纏めて論文の作成に移ることができる．
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| 今後の研究の推進方策 |
無尾類における水輸送機構に関しては、アフリカのサヘルに生息するAmietophrynus regularisやネッタイツメガエルで、皮膚や膀胱での水輸送ならびにAQPの細胞内分布について解析する予定である．また、腹側皮膚については、次世代シーケンサーを用いてRNA-seq解析を行う計画である．有尾類における水輸送機構に関しては、論文を学術誌に掲載し、報告する予定である．無尾類の水ホメオスタシスに与えるツボカビの影響に関しては、イエアメガエルでのAQPの細胞内分布を解析し、さらにswellingアッセイを行うことにより、成果を纏めて論文を作成する予定である．さらに、陸生のツノガエルについても解析を進める計画である．
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| 次年度使用額が生じた理由 |
雇用した特別研究員がNIHに予定より早く移動した。加えて、研究経費を最大限節約することにより、次年度使用額が生じた。なお、研究経費節約による研究への支障はなかった。
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| 次年度使用額の使用計画 |
次世代シーケンサーによるRNA-seq解析、抗体の作製・アフィニティ精製、試薬の拡充、故障したCCDカメラの修理等に充てる。
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