1. アフリカ・ブルキナファソのサヘルに生息する陸生種Amietophrynus regularisの水調節におけるバソトシンとセリトシンの役割について分子組織学的解析を行い、膀胱におけるAQP6/a2Uの局在変化を中心に成果を纏めた。University of Ouagadougouでは、生理学実験を行い、成果を纏めた。現在、本研究内容を含む論文を作成中であり、General and Comparative Endocrinologyに再投稿予定である。 2. 水中および減水条件で飼育したネッタイツメガエルから,下腹部皮膚を採取し,その後全RNAを抽出した。そして、RNA-seq解析を行い、水中および減水条件下の表皮で発現するRNAを総合的に比較解析した。その結果、AQP6/a2Sの発現が減水条件下で著しく亢進すること、AQP3は発現量は多いが減水条件下で発現量は変化しなことなどが判明し、AQP6/a2Sが乾季での個体の生存に特に重要である可能性が示唆された。 3. カエルツボカビを樹上生種のイエアメガエルに感染させ、その後、大腿部皮膚を採取して固定し、免疫組織学的解析を行った。その結果、感染個体では表皮細胞におけるAQP6/a2Sの局在が攪乱されていることが判明した。また、カエルツボカビを陸生種のツノガエルに感染させて大腿部皮膚での水輸送能を調べた。個体により測定値が大きく変動したことから、ツボカビ感染により水輸送能が攪乱されていることが示唆された。 4. 米国の陸生有尾類ニシブチイモリに関しては、研究成果をさらに整理しつつ研究論文を作成中である。
|