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2016 年度 実績報告書

イモリ性フェロモン情報処理機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 26440179
研究機関奈良県立医科大学

研究代表者

豊田 ふみよ  奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (10244708)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードアカハライモリ / 性フェロモン / ペプチドフェロモン / ホルモン
研究実績の概要

我々が新たに発見したアミノ酸三残基からなるアカハライモリ雄誘引ペプチドフェロモン“アイモリン(imorin)は嗅覚阻害実験や嗅電図応答実験により、主に鋤鼻嗅覚上皮で受容されると考えられる。今回、雄鋤鼻上皮細胞でアイモリン刺激により細胞内Ca2+濃度の上昇が生じることを確認した。また同物質によって鋤鼻上皮細胞内のCa2+濃度上昇を示す細胞の割合は、プロラクチンおよび生殖腺刺激ホルモンの投与により性的に発達した雄イモリの鋤鼻上皮では大きく、それに比べて未発達の雄や、発達・未発達を問わず雌の上皮では有意に小さいことを確認した。即ち雄誘引ペプチドフェロモン、アイモリンに対する鋤鼻上皮の反応性は性およびホルモン依存的であると考えられた。また、アイモリンに対する抗体を用いて同物質の卵管における局在を調べた結果、アイモリン免疫応答シグナルは性的に発達した雌の卵管基部の線毛細胞の細胞質および内腔に面した線毛表面で見られた。雌飼育水は雄誘引効果を有するが卵管を除去された雌の飼育水には雌誘引効果が存在しない。また、アイモリン抗体カラムに雌飼育水を添加した結果、抗体カラム吸着画分には元の飼育水と同程度の雄誘引効果があったが、非吸着画分には雄誘引効果が認められなかった。雌飼育水の雄誘引効果が主にアイモリンに由来すると考えられる。これらのことから、アイモリンは卵管基部線毛細胞で作られて水中に放出され、雄を誘引すると考えられる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] Imorin: a sexual attractiveness pheromone in female red-bellied newts (Cynops pyrrhogaster).2017

    • 著者名/発表者名
      Nakada T, Toyoda F, Matsuda K, Nakakura T, Hasunuma I, Yamamoto K, Onoue S, Yokosuka M, Kikuyama S.
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 7 ページ: 41334

    • DOI

      10.1038/srep41334

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [学会発表] アカハライモリ雄誘引物質に対する鋤鼻上皮細胞の感受性の性およびホルモン依存症2016

    • 著者名/発表者名
      豊田ふみよ、中田友明、松田恒平、中倉敬, 蓮沼至, 山本和俊, 菊山榮
    • 学会等名
      第41回日本比較内分泌学会大会およびシンポジウム
    • 発表場所
      相模原市
    • 年月日
      2016-12-10
  • [学会発表] 両生類の求愛・性行動とホルモン2016

    • 著者名/発表者名
      豊田ふみよ
    • 学会等名
      第41回日本比較内分泌学会大会およびシンポジウム
    • 発表場所
      相模原市
    • 年月日
      2016-12-10
    • 招待講演
  • [学会発表] Abdominal gland-derived steroids in the newt, Cynops pyrrhogaster may act as pheromones2016

    • 著者名/発表者名
      Toyoda F, Nakada T, Haraguchi S, Yamamoto K, Tsutsui K, Kikuyama S.
    • 学会等名
      第39回日本神経科学大会
    • 発表場所
      横浜市
    • 年月日
      2016-07-23
  • [図書] 自然科学のためのはかる百科、第3章第8項2016

    • 著者名/発表者名
      豊田ふみよ、関隆晴
    • 総ページ数
      10
    • 出版者
      丸善出版
  • [図書] ホルモンから見た生命現象と進化シリーズIV、求愛・性行動と脳の性分化―愛― 第3章2016

    • 著者名/発表者名
      豊田ふみよ
    • 総ページ数
      20
    • 出版者
      裳華房

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公開日: 2018-01-16  

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