研究課題
26年度は藍色細菌Synechocystis PCC6803においてリズム変異株を大規模スクリーニングし、変異株の原因遺伝子として新規の時計遺伝子と時計関連遺伝子を網羅的に特定することを目指した。PCC6803においては既に発光リズム系が構築済みである。しかし、発光レポーター遺伝子の発現効率が低いため、高感度CCDを搭載した測定装置によるイメージング法では、十分な測定が実現できていない。そこで発光レポーター遺伝子のコドン使用頻度を最適化した人工合成遺伝子を作製し、これを使用した発光株を構築した。しかし、構築した発光レポーター株の発光強度は向上したがスクリーニングには十分ではなかった。現在、発光遺伝子の改良やプロモーター配列の検討、測定時の培養条件の最適化などを進めている。その他にPCC6803や好熱性藍色細菌を用いて生物時計の出力や生物時計タンパク質の機能解析を行い、論文発表した。
3: やや遅れている
作製した発光レポーター遺伝子は、Synechocystis PCC6803の細胞内で発現効率が向上したが、高感度CCDカメラを搭載した測定装置による大規模スクリーニングを行うためには、まだ十分ではなかった。このため、計画通りに突然変異体の大規模スクリーニングに着手することができなかった。
早急に突然変異体スクリーニングに使用できる発光株を構築する。複数の解決策を同時進行中である。また、万が一、いずれの方法でもイメージング法では十分な生物発光の検出ができない場合は、スクリーニング法をイメージング法から光電子増倍管を搭載した測定装置によるフォトンカウンティング法に変更して、スクリーニングを進めたいと考えている。
当初計画よりも研究の遂行に時間を要したため、計画通りの支出に至らなかった。
研究費の一部を人件費として使用し、研究の遂行を補助する補助員をパート雇用して、研究の遅れを取り戻す。
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Genes to Cells
巻: 20 ページ: 173-190
10.1111/gtc.12211
Journal of Bacteriology
巻: 197 ページ: 676-687
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