頭蓋顔面形態は多様性に富む興味深い形質であり、その形成には環境と遺伝要因の両方が関わるとされている。我々は頭蓋顔面形態の多様性形成に関わる遺伝子の同定を目指し、メダカを用いた統計遺伝学的解析を実施した。その結果、形質とゲノム領域との関連を複数見出し、形質L33の関連ゲノム領域を6番染色体の約5Mbpに絞り込むことに成功した。また、形質D29に対する二つの関連ゲノム領域の検証を進めたが、いずれも陰性であった。もう一つの形質V13では、形質自体が環境の影響を受けやすく不安定であることが判明し、解析不能との判断を下した。今後まもなくL33の絞り込みが完了し、遺伝子の同定へと進める予定である。
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