エンドウヒゲナガアブラムシ(A.pisum)ゲノムから発見された、細菌由来水平転移遺伝子の進化動態の解明を試みた。A.pisum由来LdcA1遺伝子とそのオーソログから縮重プライマーを構築し、90種アブラムシゲノムDNAを鋳型として縮重PCRを行い、増幅産物の塩基配列決定を行った。アブラムシ族とヒゲナガアブラムシ族の24種からは、A.pisum由来LdcA1と相同性の高い配列が得られた。アミノ酸配列にもとづく近隣結合系系統樹から、LdcA1遺伝子の系統関係は、アブラムシの種の系統を概ね反映しており、LdcA1遺伝子が両族の共通祖先に水平転移し、両族アブラムシの種分化と共に進化したことを示した。
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