クロショウジョウバエ類は北半球に広域分布しているが,日本列島にはほとんどすべての種群が棲息しており,生物多様性が極めて高い。日本列島は北米大陸で適応放散した分類群の移住回廊にであったと考えられる。本分類群のうち熱帯性の種の北限は奄美大島で,動物地理学上の東洋区と旧北区の境界である渡瀬線と一致する。オオクロショウジョウバエ種群の1種の北限は津軽海峡に横たわるブラキストン線である。 飼育が困難であった熱帯性種群の核型を明らかにした。分子系統的に祖先型に近いとされている分類群は何れも端部付着型のX染色体を有していた。
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