本研究は、マメ科を対象として、胚の成長に必要な栄養分の内乳から胚への移動経路の多様性の実態を明らかにする。一般的に被子植物において、胚への栄養分移動経路は<前々世代の胞子体(珠皮)→前世代の配偶体(内乳)→胚柄→胚>と推定される。ところが、被子植物の胚珠内では、胚柄が早期に計画的細胞死により消失する。つまり、内乳から胚への経路が失われる。この経路の補填のためには、二次的な胚と内乳の接着が考えられるが、この実態を解剖学的な研究により明らかにする。このため、マメ科植物の主要な系統を代表する10種の種子を発達を追って採集し解剖を行い、蛍光顕微鏡を用いた観察が有効である事を明らかにした。
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