太平洋諸島ヤップ群島の固有陸産貝類相の多様性と起源に関する研究

2016 年度 実施状況報告書

• 研究課題/領域番号: 26440206
• 研究機関: 東京大学
• 研究代表者: 上島 励 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (20241771)
• 研究期間 (年度): 2014-04-01 – 2018-03-31
• キーワード: 系統分類

研究実績の概要

ヤップ島およびグアム島のゴマガイ類について分類学的検討を行った。核ITS領域およびmtDNA(CO1遺伝子)を用いた分子系統解析の結果、グアム島のPalainaはパラオ諸島のゴマガイ類に近縁であることが裏付けられた。グアム島のゴマガイの蓋の形態はヤップ島のゴマガイよりもパラオ諸島のゴマガイとの共通点が多く、両者が近縁であることが裏付けられた。
またヤップ島のベッコウマイマイ類についても核ITS領域およびmtDNA(CO1遺伝子)を用いた分子系統解析を行ったところ、ヤップ島の個体群とパラオ諸島の個体群の間にはほとんど遺伝的分化がないことが示唆された。ヤップ島で普通に見られるベッコウマイマイは分子系統解析の結果、Kororia palauensisに同定できることが判明した。

現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

昨年度に予定していた現地調査が延期されたため

今後の研究の推進方策

本年度は昨年度に予定していた現地調査を実施して、研究を完了させる見込みである。

次年度使用額が生じた理由

当年度に予定していた現地調査が延期となった

次年度使用額の使用計画

次年度に現地調査を実施し、研究を実施する

研究成果

• [雑誌論文] Molecular phylogeny, frequent parallel evolution, and new system of Japanese clausiliid land snails (Gastropoda, Stylommatophora) (2017)
  • 著者名/発表者名: Risho Motochi, Min Wang, Rei Ueshima
  • 雑誌名: Zoological Journal of the Linnean Society 巻: 印刷中 ページ: 印刷中
  • 査読あり / 国際共著
• [学会発表] Molecular Phylogeny and frequent parallel evolution of Japanese clausiliid land snails. (2016)
  • 著者名/発表者名: Motochi Risho, Rei Ueshima
  • 学会等名: World Congress of Malacology 2016,
  • 発表場所: Penang (Malysia)
  • 年月日: 2016-07-18 – 2016-07-24
  • 国際学会
• [学会発表] 日本産キセルガイ類の分子系統解析および分類体系の再検討 (2016)
  • 著者名/発表者名: 元陳力昇、上島励
  • 学会等名: 日本貝類学会 平成28年度大会
  • 発表場所: 東邦大学（千葉県船橋市）
  • 年月日: 2016-04-16 – 2016-04-17
• [図書] 改訂・沖縄県の絶滅のおそれのある野生生物（動物編）レッドデータブックおきなわ (2017)
  • 著者名/発表者名: 上島励（分担執筆）
  • 総ページ数: 印刷中
  • 出版者: 沖縄県