ヤップ群島は太平性諸島の西縁に位置する海洋島である。本研究では、ヤップ群島の陸産貝類相について初めての調査を行い、ヤップ群島および周辺地域の陸産貝類の分類学的研究を行った。その結果、ヤップ群島から12科18種の陸産貝類を確認した。その中で確実に固有種と考えられるものは3種で、多くの種は移入種と広域分布種であった。ゴマガイ類はすべて固有種で、ヤップ群島内で種分化したと考えられる。ヤップ群島の陸貝相が近隣のパラオ諸島と比べて著しく貧弱なのは、面積が小さく、島の歴史が浅いことに加えて、石灰岩地がないことが原因と考えられる。
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