褐藻アカモクは、10m以上にまで成長することもある1年生の海藻である。新潟県沿岸においては1~6月までアカモクの成熟が見られる。本研究は、この長い繁殖期の実態の解明と、集団分化に及ぼす影響を解明することを目的とした。 野外調査の結果、新潟県沿岸の地点ごとに成熟期間が異なっていることを確認できた。また培養実験の結果から、春成熟個体と冬成熟個体では光周性が異なることを確認した。遺伝的にはミトコンドリアマーカーを用いた解析でも、核マイクロサテライトマーカーを用いた解析でも、冬(1-3月)と春(4-6月)成熟集団の間に明確な遺伝的分化が確認され、さらに、それぞれの季節の中で地点間の分化も確認された。
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