近縁種間およびそれらの雑種個体における花の匂いの化学的特性の違いと生殖的隔離との関係を調べるために,アケビ属,サツマイモ属,ヒメタイサンボク,セキショウなどを対象に匂い特性を調べた。アケビとミツバアケビの交雑個体であるゴヨウアケビにおいては両親とは異なる匂い物質を放つ個体があり,野外で誘引試験した場合は両親種ではあまり見られない甲虫類の訪花が見られた。ハリアサガオとヨルガオの匂い特性は異なっており,両種の雑種個体の作成を試みたが,現時点まで成功していない。ヒメタイサンボクは川を挟んで異なる種内分類群がみられ,葉の化学成分を指標に種内多型を評価した。
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