本研究では、北米西海岸の大型漂着物に着生する海藻類の遺伝的種同定を行うとともに、DNAバーコード情報の蓄積を行った。 大型漂着物に着生していた海藻類や北米西海岸に生育する海藻類を入手し、種の同定を行った。その結果、津波に由来する日本産の種として計49種を同定した。約20種は、外部形態による当初の同定では別種として認識されており、分子マーカーを利用した種同定の有用性が示された。 また自然集団との遺伝的な比較から、セイヨウハバノリ、ダルス、マツモ、スジメにおいて、日本と北米の集団間に遺伝的差異が見られることが明らかになり、新たに移入が起こった場合、遺伝的な攪乱が引き起こされることが危惧された。
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