捕食寄生性双翅類の成虫の炭素・窒素安定同位体分析や幼虫のIn vitroにおける室内実験によって,ヤドリバエ科幼虫の寄主に関する情報を質・量的に考察した.野外における成虫の安定同位体分析では,腐食性,寄生性,分解者などの大きな枠組みでの従来考えられている幼虫の食性を示すことが可能となった.しかし,個体差や地理的な変異が見られ,さらに食物連鎖の栄養段階が上がるほどそれは大きくなる傾向が見られた.飼育実験では,植物(人工飼料)―植食者(寄主)―捕食者(寄生者)の生物間相互作用による同位体分別が明らかになり,寄主昆虫の体液を使ってIn vitroでの人工培地の開発にも成功した.
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