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2017 年度 実績報告書

送粉者を共有する単系統群の進化プロセスの解明

研究課題

研究課題/領域番号 26440227
研究機関兵庫県立人と自然の博物館

研究代表者

高野 温子  兵庫県立人と自然の博物館, その他部局等, 研究員(移行) (20344385)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワード遺伝子交流 / 遺伝解析 / アキギリ属 / アキノタムラソウ / ナツノタムラソウ
研究実績の概要

平成29年度はナツノタムラソウ・アキノタムラソウが側所的に分布する兵庫県・及び滋賀県の2集団の遺伝解析を実施した。兵庫県の集団ではある渓流の上流側にナツノタムラソウ、下流側にアキノタムラソウ(以下アキ)が分布しているが、見かけ上ナツノタムラソウ(以下ナツ)と判断して解析した個体21個体中、核遺伝子は20個体がナツ型で1個体のみアキとナツの両方の波形がみられる雑種様だった。葉緑体遺伝子は全21個体がアキ型であった。一方解析した見かけ上アキノタムラソウ26個体中、葉緑体遺伝子は全てアキ型だった。ところが核遺伝子はナツ型を示すものが6個体あった。28年度に解析した大和葛城山集団と同様、外部形態と遺伝子型が一致せず、両分類群間の遺伝子交流が起こっていることが示唆されたが、大和葛城山集団とはパターンが異なることが明らかになった。
滋賀県の集団では、山のふもとにアキノタムラソウが10個体程、中腹にある水路縁にナツノタムラソウ約100個体が生育していたが、みかけアキ10個体、みかけナツ30個体の遺伝解析の結果、みかけアキは葉緑体・核遺伝子共にアキ型を持ち、みかけナツも全て葉緑体・核共にナツ型を示した。外部形態と遺伝子型との齟齬はなく、遺伝子交流は起こっていないと推測される。交流が起こっていない理由としては、①アキノタムラソウの生育環境が最近実施された工事現場の跡地近くであることから、側所的に分布するようになってからの期間が短いためと考えられる。また②両種の生育場所の距離は数百メートル程度だが、間にある杉の植林が送粉者の往来の障壁になっている可能性もある。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2017 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Taxonomi study on Japanese Salvia (Lamiaceae): Phylogenetic position of S.akiensis, and polyphyletic nature of S.lutescens2017

    • 著者名/発表者名
      Atsuko Takano
    • 雑誌名

      Phytokeys

      巻: 80 ページ: 87-104

    • DOI

      10.3897/phytokeys.80.11611

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 日本産アキギリ属アキノタムラソウ亜属の送粉者について2017

    • 著者名/発表者名
      高野温子
    • 学会等名
      第16回日本植物分類学会
  • [備考] 日本産アキギリ属の分類学的研究

    • URL

      http://www.hitohaku.jp/research/h-research/2017.html#salvia

URL: 

公開日: 2018-12-17  

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