研究実績の概要 |
2011年のJAXAが提供する土地利用マップとランドサット画像から、過去の土地利用マップを作成する手法を確立した。また、鳥類コロニーなどが同一の場所に固執する度合いを検定する統計手法を2種類考案した。一つはcorrelated random walkを用いる方法で、30余年の茨城県周辺のサギ類コロニーの移動に関して検討し、投稿論文が現在最終レビュー段階である(Mashiko and Toquenaga, Waterbirds)。もう1つは、最近傍の概念を使った手法で、上記のランドサットを用いた土地利用マップを併用することによって、茨城県周辺のサギ類コロニーと、Fasola博士から提供された北イタリアのサギ類コロニーの形成要因を検討した。茨城県周辺のサギ類コロニーの形成要因としては、近年土地固執性が高まっており、これはアオサギの流入と一致していることが分かった。この結果に関してはJournal of Avian Biology誌に発表した(Carrasco, Toquenaga, Mashiko, 2017, in press)。北イタリアにおけるコロニー形成要因においても、1990年前半からコンスタントに土地固執性が高まっていることを明らかにした。この結果については、2017年9月23~25日において行われたWaterbird Societyの年次集会の中でのWorkshop on Herons of the Worldで口頭発表を行った。データベースのプラットフォームとして、これまで使ってきたDrupal7はrelational databaseやNoSQL databaseへの対応に問題があったため、Ruby Railsのベースに用いられているSinatraとActiveRecord、外見にTwitter Bootstrap3を用いた自前のCMSを構築した。
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