ツリフネソウの花蜜分泌量を,花器を破壊すること無く経時的に正確に測定する方法を確立できた。花蜜は,開花直前か分泌が始まり,日中にほとんど一定速度で生産されていた。夜間に花蜜分泌はなかった。分泌の速度は,1時間あたり約1.0μlであった。 トラマルナナバチの訪花で花蜜は吸蜜されて,直後の残存花蜜は約0.7μlになる。前吸蜜者が去ってから,およそ15分後,ツリフネソウの距内に約1.1μlになるころ,すべてのハチが訪花を途中放棄せず吸蜜まで至ることが明らかになった。この1花あたり0.2μlの花蜜(送粉報酬)が,トラマルハナバチの訪花行動(コスト)と釣り合うのかも知れない。
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