研究課題/領域番号 |
26440238
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
源 利文 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 特命助教 (50450656)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 環境DNA / オオサンショウウオ / チュウゴクオオサンショウウオ / 保全生態学 / 科学教育 / 環境教育 |
研究実績の概要 |
本研究では、在来及び外来のオオサンショウウオの分布を「環境DNA分析」を用いて明らかにする手法を用いて、一般の環境保全団体、中学校、高校等の科学部などと連携して、国内の分布域全域にわたって在来及び外来オオサンショウウオの分布域を明らかにすることを目的とする。 平成27年度には、岐阜、兵庫、岡山、広島、鳥取、島根の5県において7水系の合計187地点に(岐阜県:長良川水系30地点、飛騨川水系6地点、兵庫県:羽束川水系21地点、岡山県:旭川水系39地点、広島県:太田川水系28地点、鳥取県:日野川水系14地点、島根県:江の川水系49地点)で採水を行った。核DNAをマーカーとした環境DNA検出系でオオサンショウウオ属の環境DNAを検出した結果、全ての河川においてオオサンショウウオのDNAが検出された。前年度の調査結果とあわせて、366地点で合計454回の採水を行った結果、127地点でオオサンショウウオのDNAが検出された。なお、外来のオオサンショウオDNAは既に報告済みである京都府の桂川水系以外では検出されなかった。 市民団体や高校等との連携については、兵庫県において「佐用川のオオサンショウウオを守る会」および篠山市内の高校生物部との連携を継続し、環境DNA調査を行っている。また、環境DNA分析を用いた高校の科学教育支援や高校生の研究活動支援として、11件の高大連携事業(実習体験や講義)を行うとともに、兵庫県立農業高校および兵庫県立加古川東高校の生物部の活動支援を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成27年度には6県で8水系の約160地点の調査を予定していたが、実際には5県で7水系の187地点での調査を行った。一水系あたりの調査地点数を増やしたために水系の数としては予定より減ったが、調査地点数は予定より増やすことが出来たので、概ね予定通りに実行できたと考えている。 市民団体や高校等との連携については、兵庫県と大分県での連携が順調である。他府県における連携が予定より進んでいないが、独自の調査も行っており、プロジェクト全体には影響を与えていない。 これらのことから、おおむね順調に進展していると自己評価する。
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今後の研究の推進方策 |
広域調査に関しては、愛知県、和歌山県、山口県、愛媛県の4県において、合計4水系80地点程度の調査を行う。また、滋賀県については別プロジェクトで採取したサンプルを用いて、環境DNA分析を行う。これにより、オオサンショウウオの自然分布域全域におけるサンプリングと環境DNA分析ができる。これらのデータを統合し、オオサンショウウオの生息適地モデルを作成し、研究成果を論文としてまとめる。 市民団体等との協働に関しては、これまでに進めてきた兵庫県及び大分県における連携調査を継続する。また、環境教育、科学教育の実践として、高校等の生徒に対する環境DNA実習および環境DNA分析に関する講義を引き続き実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
おおむね予定通りに進行しており、27年度には残額8256円であった。不必要な年度内消化を避け、次年度に使用することとした。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度使用額の8256円は、主に消耗品費に充てる予定である。
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