研究課題
本研究では、在来・外来オオサンショウウオのDNAを河川水から検出する環境DNA分析手法を用い、一般の環境保全団体、中学校・高校等の科学部活動などと連携して、国内の分布域全域にわたって、在来・外来オオサンショウウオの分布調査を行うことを目的とした。検出系の最適化では、核DNAをマーカーとした新たな検出系を開発し、オオサンショウウオの生息域をより精度良く検出できる系の開発に成功した。野外調査では、平成26年度から28年度の3年間で、岐阜、三重、奈良、大阪、兵庫、岡山、広島、鳥取、島根、徳島、高知、愛媛、大分の17水系430地点で採水調査を実施し、うち124地点で在来オオサンショウウオのDNAが検出された。また、1水系の2地点においてチュウゴクオオサンショウウオのDNAが検出された。これらの結果とこれまでの環境DNA分析の結果をもとに、環境DNA情報に基づくオオサンショウウオの生息適地モデルを作成したところ、モデルの予測する分布域が実際の分布域とよく一致した。また、このモデルから、温暖化の進行によってオオサンショウウオの生息域が減少することなどが予測された。市民団体、高校等との連携においては、兵庫県内の市民団体、高校(3校)、大分県の高校、岐阜県の高校と連携して環境DNA協働調査を実施した結果、兵庫県内では環境DNAが検出された地点で確かにオオサンショウウオが生息していることが確認されるなど、協働の効果が確認できた。また、神戸大学サイエンスショップを通じた活動の中で、毎年10件程度の高大連携事業(実習体験や講義)を行い、高校生の研究活動を支援した。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (13件) (うち査読あり 9件、 オープンアクセス 10件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 4件、 招待講演 5件)
Freshwater Biology
巻: 62 ページ: 30-39
10.1111/fwb.12846
Molecular Ecology Resources
巻: 17 ページ: 324-333
10.1111/1755-0998.12586
Limnology
巻: 17 ページ: 233-241
10.1007/s10201-016-0508-5
日本生態学会誌
巻: 66 ページ: 583-599
巻: 66 ページ: 601-611
巻: 66 ページ: 613-620
巻: 66 ページ: 581-582
巻: 66 ページ: 621-623
日本科学教育学会研究会研究報告
巻: 30 ページ: 21-24
巻: 30 ページ: 17-20
Ecological Research
巻: 31 ページ: 963-967
10.1007/s11284-016-1400-9
PLOS ONE
巻: 11 ページ: e0156217
10.1371/journal.pone.0156217
Freshwater Science
巻: 35 ページ: 748-754
10.1086/685882