空間生態学における空間個体群動態を点パターンダイナミクスとして定式化する研究に取り組んだ。点パターンの1次構造(点密度)と2次構造(2点からなるペア距離分布)に注目し、1次と2次構造に関する力学系モデルを導出した。具体的には、点パターンダイナミクスを確率過程として再現するシミュレーションと、1次・2次構造に関する力学系の比較である。力学系モデルには3次構造(3点からなるトリプレット)が含まれるが、これを低次構造で近似する方法(モーメントクロージャー)に取り組んだ。点の出生と死亡が無い場合においては、簡単なモーメントクロージャーで非常に精度よくシミュレーションを記述できることを明らかにした。
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