本研究では、同所的に生息するカモシカとニホンジカの糞DNAを用いて、種や性判別、個体識別法の確立を行なった。はじめに組織サンプルを用いてカモシカでは14、ニホンジカでは10のマイクロサテライトマーカを選定した。つづいて徳島県つるぎ町で194の糞を収集し糞DNAの解析を行なった結果、カモシカでは35サンプル、ニホンジカでは30サンプルについて種を決定した。個体識別の結果、カモシカでは14個体(雄7個体、雌7個体)、ニホンジカでは19個体(雄11個体、雌8個体)を特定することができた。本研究で開発した個体識別法は、野外でも応用することができ今後の精度の高いモニタリングの発展が期待される。
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