研究課題/領域番号 |
26440256
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中 伊津美 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 研究員 (10723778)
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研究分担者 |
木村 亮介 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00453712)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 皮膚色関連多型 |
研究実績の概要 |
本研究では、オセアニア・アジア集団を対象に、網羅的に皮膚の色素形成遺伝子多型を調べ、オセアニア・アジア集団の皮膚色素多様性を生み出す遺伝基盤の理解を図るとともに、メラネシア集団で観察される濃い茶褐色の皮膚色素形成と関連するアリル、およびアジア集団で観察される明るい皮膚色素形成と関連するアリルの進化史の解明を目指す。 本研究は、(1) ゲノムインフォマティクス解析による皮膚色素関連SNPの抽出(2) オセアニア・アジア集団(約1600検体)を対象としたDigTag2法による遺伝子型の決定(3) 皮膚色素関連遺伝子の変異スクリーニングによるオセアニア・アジア集団に特異的な新規候補多型の探索(4) アジア人集団を対象にした、皮膚色素測定値と(3)で同定したSNPの関連解析(5) オセアニア・アジア集団における皮膚色素関連SNPの進化遺伝学的解析の5つのパートから成り、今年度は、(1) ゲノムインフォマティクス解析による皮膚色素関連SNPの抽出を行った。具体的には、NCBI dbGAPデータベースに登録されている皮膚色素、髪色に関するGWAS研究の成果から、色素形成関連候補遺伝子多型の絞り込みを行い、抽出された多型について、周辺領域多型を含めて連鎖不平衡解析を実施し、連鎖不平衡にある多型全てを対象に、webツール(http://snpinfo.niehs.nih.gov/)を用いて、非同義置換SNPか否か、転写因子結合サイトやmiRNA結合サイトに位置するSNPか否かなどの位置情報をもとにした機能予測を行った。さらに、地域特異的な正の自然選択が作用した可能性を評価すべく、集団のアリル頻度情報が付帯している一部のSNPの中から、集団間で特に分化しているSNPも抽出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成26年10月1日に筑波大学大学院医学医療系から、東京大学大学院理学系研究科ヒトゲノム多様性研究室(平成26年10月1日に発足)に異動した。異動後の研究室改修工事が2月に終了し、その後、研究室の立ち上げを行ったため、今年度の研究はやや遅れてしまった。
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今後の研究の推進方策 |
今年度に選出されたSNPの情報を用いて、オセアニアとアジア集団(約1600検体)を対象としたDigTag2法による遺伝子型の決定を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年10月1日に筑波大学大学院医学医療系から、東京大学大学院理学系研究科ヒトゲノム多様性研究室(平成26年10月1日に発足)に異動した。異動後の研究室改修工事が2月に終了し、その後、研究室の立ち上げを行ったため、予定していた今年度の実験計画が遅れてしまった。
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次年度使用額の使用計画 |
オセアニアとアジア集団(約1600検体)を対象としたDigTag2法による遺伝子型の決定を行うために必要な、試薬、実験物品の購入に使用する。
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