本研究では、オセアニア・アジア集団を対象に、網羅的に皮膚色素形成関連遺伝子多型を調べ、オセアニア・アジア地域集団の皮膚色素多様性をうみ出す遺伝基盤の理解を目指すとともに、メラにシア集団で観察される濃い茶褐色と関連するアリル、およびアジア集団で観察される明るい皮膚色素形成と関連するアリルの進化史の理解を目指す。 今年度は、沖縄県在住の日本人(琉球人)とタイ・ターソンヤンに居住するタイ人についてtanning ability score(TAS)を計算した。琉球人(TAS:1.95) とタイ人(TAS:1.94)のTASは、HapMap JPT(TAS:1.87)より高かった。skin reflectance値から算出したMelanin Index(MI)と、遺伝子型との関連を多変量解析を用いて検討した。興味深いことに、TASは同程度を示した2集団だったが、それぞれ異なる遺伝子がMIと関連していた。
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