本研究の目的は分類に使われてきた形態変異と糞試料で検出した遺伝子変異の比較で認められたちがいから、トクモンキーおよびラングール類の亜種分類を再評価し、スリランカ霊長類の系統地理的特性を総合的に理解することである。トクモンキーでは海抜2~2,129メートルの間に明瞭な尾長の地理的勾配が認められ、尾率は標高に従い有意に小さくなった。この形態変異は亜種境界には厳密に対応せず、むしろ本種が標高と寒さに対しアレンの法則に従う適応をもつことを示していた。新しいPCRプライマーを作成し、ラングール類の亜種の違いを試験した。これら霊長類2種の亜種の違いをさらに調査するためこれらのプラマーを利用していく。
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