作物の栽培化において、種子脱粒性の喪失は最も重要な選抜形質のひとつである。イネにおける種子脱粒性の喪失は、sh4 遺伝子座に生じた変異が原因であると広く認識されている。しかし、栽培イネが持つsh4 遺伝子座を野生イネの遺伝的背景に導入しても、なお強い脱粒性が見られることから、栽培化初期における脱粒性喪失にはsh4 遺伝子座以外の遺伝変異も関与したと考えられる。本研究では、野生・栽培イネ間で新たに同定され、sh4 遺伝子座と共に脱粒性の喪失に関与した遺伝子座qSH3における原因遺伝子の同定と証明、ならびに栽培化における役割を明らかにした。
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