本研究では、マップベースクローニング法を用いてダイズ耐塩性遺伝子を第3染色体の16.5 kbの領域に特定した。加えて、この遺伝子(Ncl遺伝子)が根で強く発現すると、地上部のNa+、K+及びCl-の蓄積量が低下し、耐塩性が向上することを明らかにした。戻し交雑とDNAマーカー選抜によりNclを導入した塩感受性品種Jacksonや、遺伝子組換え法によりNclを過剰に発現させた塩感受性品種カリユタカは耐塩性が向上した。今回解明されたNcl遺伝子は、DNAマーカー選抜や遺伝子組換えなど分子育種の手法で既存ダイズ品種に導入することが可能である。
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