研究課題/領域番号 |
26450016
|
研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
藤井 弘志 山形大学, 農学部, 教授 (30431646)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | デジタルカメラ / 葉色診断 / 水稲 / ダイズ |
研究実績の概要 |
①水稲を対象とした測定装置(カメラ)の改良:生育量および葉色の異なる水稲(ポット、圃場)を創出し、光条件の異なる環境下で撮影を行い、光条件に左右されないデジタルカメラのアルゴリズムを改良した(コニカミノルタ)。 さらに、葉色や生育量により判断した追肥窒素を量的に変化させて、水稲の収量および玄米タンパク質含有率を評価項目として検証した結果、追肥窒素量の判断が妥当であった。このことから、デジタルカメラによる診断に基づいた可変施肥の有用性が示唆された。 ②他作物の葉色診断(窒素濃度)へのデジタルカメラの適応性:大豆、トウモロコシ、野菜(スイカ)、果樹(サクランボ、リンゴ)の葉身についてカメラを用いて撮影して得られた分光特性値(NDVI)を検討し、デジタルカメラによって、他作物の栄養状態を示す窒素濃度の推定が可能であること明らかにした。特に、大豆では転作1年目と4年目の圃場を撮影し、葉色を示す分光特性値が1年目>4年目であることが明らかとなり、次年度の圃場内の大豆の栄養診断に利用可能であることが示唆された。 ③診断項目の拡大の検討:水稲の収穫適期判断のために、デジタルカメラを用いて、稲体の色の推移から、収穫適期の判定を試み可能性が示唆された。さらに、熱画像用のカメラを用い、病気の水稲、根の活力の低下した水稲の葉温や穂温が上昇することを確認した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
光条件に左右されないデジタルカメラの改良されたこと、他作物への適応性の確認されたこと、診断項目の拡大にも着手できたことなどから、研究はおおむね順調に進展している。
|
今後の研究の推進方策 |
今後の研究として、①水稲に対する年次間変動の検討、②水稲における広域診断への適応性の検討、③他作物では、大豆を中心に圃場内の生育および葉色診断を行う。④診断項目の拡大として、熱画像による水稲の診断(根量、病気)、熱画像による大豆の水分ストレスの診断、稲の熟色の変化による収穫適期の判断についての研究を重視して推進していく。
|