本研究は、乾燥地において重要な作物、ダイズ、コムギとトマトについて根伸長域の細胞壁の化学成分、性質および物理性質を解析し、これらの特性と作物の耐塩性との関係を研究した。 3種の作物とも塩性条件下では根伸長域の細胞壁が変化し、耐塩性品種は根の成長に有利な方向(ペクチンと伸展性の維持、酸性残基の増加)、感受性品種は根の成長に不利な方向(ペクチンの減少、伸展性の低下、セルロースの増加)への変化が見られた。塩性条件下では、根の成長はこれらのパラメーターとの相関関係があることを見出した。 これらの発見は、塩類集積土壌でも高い収量を得られる耐塩性の高い作物の作出や栽培技術の改良などに有用である。
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