赤色/遠赤色光比(R/FR比)の変化がコムギの生育や収量に及ぼす影響を調査し,避陰反応の抑制による収量ポテンシャル増加の可能性の検証を試みた. 光質制御フィルムやLED光源を用いたR/FRの変化に対する反応を単一品種による2回の圃場試験で調査したが,いずれも生育および収量への明確な影響は認められなかった.続いて光質に対する生育反応の品種間差異について国内約50品種を用いて2回のポット試験を実施した結果,多くの品種で高R/FR環境で茎数増加と草高の低下という避陰反応と同様の形態反応が認められた.全品種の平均値では光質変化への反応に有意差が認められたが,2回とも同様に反応する品種はみつからなかった.
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