園芸活動を高次脳機能障害者の社会復帰プログラムの1つとして行っている千葉県内の障害者支援施設では,毎回の園芸活動後,参加者に自由記述の感想を書かせている.この園芸活動参加者のうち,記憶障害の程度が軽く感想文の内容が信頼に足る参加者の感想文から2010年から2015年までの5年間分を抜き出し,園芸活動参加者が園芸活動にどのような印象を持っていたかを明らかにし,今後のプログラムデザインに反映していくことを目的とし,テキストマイニング分析を行った. 対象とした感想分はは述べ合計789件であった.テキストマイニング分析にはKH Coder 2.veta.31(樋口,2004)を用いた.感想文中に出現する単語を出現回数の多い順に20語を抽出した.もっとも出現回数が多かった単語は「作業」で,作業の種類に関係する単語として「試食」と「収穫」しか上位20語に含まれていなかった.これは園芸活動で多様な作業が行われていたためか,あるいはそれらの作業名が印象に残っていなかったためと考えられる.出現回数の上位20語に対して共起ネットワーク分析を行ったところ,6つのグループに分類することができた.園芸活動は大変だが楽しんでいることが伺われ,試食すること,皆で作業することが印象に残っていた.外で作業を行うプログラムが少ないためか,屋外であること,気持ち良いこと,育てることが印象に残っていた.園芸活動は栽培つまり生産から,試食つまり消費までの要素が含んでいることが,参加者からの印象に残っており,プログラムとしての重要な要素になっていることが伺われた.
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