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2016 年度 実績報告書

花模様形成の分子機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 26450032
研究機関静岡大学

研究代表者

中塚 貴司  静岡大学, 農学部, 助教 (60435576)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード花模様 / アントシアニン / リンドウ / シンビジウム
研究実績の概要

シンビジウム‘サザナミチャンピオン’を20/15℃または30/25℃で栽培し、着色程度とアントシアニン生合成遺伝子の発現を調査した。高温条件で栽培したとき、花被片ではアントシアニン着色が減少し、一方唇弁では斑点模様が大きくなることが確認された。アントシアニンの蓄積量は花被片で30/25℃処理によって40%まで減少していたが、フラボノール含量は差が無かった。多くのアントシアン生合成に関わる遺伝子は、高温処理により著しく減少していた。一方、フラボン生合成に関与する遺伝子の発現は、栽培温度による影響をほとんど受けなかった。アントシアニン生合成の調節因子遺伝子であるMYB1は、アントシアニン生合成遺伝子の発現様式と類似していた。このことから、転写調節因子であるMYB1の発現量が、温度による着色程度を制御していることが明らかになった。また、フラボノイド3'-水酸化酵素(F3'H)は、高温時に唇弁で発現が上昇し、また唇弁着色品種において特異的に発現していることが明らかになった。F3'Hの発現の有無が、唇弁のアントシアニン着色の鍵となっていることを明らかにした。
リンドウの白寿は、青と白のストライプ模様を有する品種である。アントシアニン生合成遺伝子の発現解析の結果、カルコン合成酵素(CHS)遺伝子の発現が、白色部の裂片で減少していることが明らかになった。また、CHS siRNAも検出され、転写後サイレンシングで花模様が形成されていることが示唆された。
これらの結果から、花模様形成は植物種によって異なるメカニズムで形成されていることが明らかになった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2017 2016 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] LhMYB12, regulating tepal anthocyanin pigmentation in Asiatic hybrid lilies, is derived from Lilium dauricum and L. bulbiferum.2017

    • 著者名/発表者名
      Yamagishi M. and Nakatsuka T.
    • 雑誌名

      Horticulture Journal

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

    • DOI

      10.2503/hortj.OKD-057

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] RNA-seq-based evaluation of bicolor tepal pigmentation in Asiatic hybrid lilies (Lilium spp.)2016

    • 著者名/発表者名
      Suzuki K., Suzuki T., Nakatsuka T., Dohra H., Yamagishi M., Matsuyama K. and Matsuura H.
    • 雑誌名

      BMC genomics

      巻: 17 ページ: 611

    • DOI

      10.1186/s12864-016-2995-5

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Different expression profiles of anthocyanin biosynthetic genes among Cymbidium cultivars2016

    • 著者名/発表者名
      10.Nakatsuka T., Kobayashi Y., Harada K. and Ohno H
    • 学会等名
      The XXVIIIth International Conference on Polyphenols
    • 発表場所
      Vienna, Austria
    • 年月日
      2016-07-11 – 2016-07-15
    • 国際学会
  • [学会発表] 花色を決める分子機構2016

    • 著者名/発表者名
      中塚貴司
    • 学会等名
      第10回超領域研究会 ~次世代を担う静岡大学の研究~
    • 発表場所
      静岡県浜松市 静岡大学浜松キャンパス
    • 年月日
      2016-06-30
  • [備考] 静岡大学農学部 花き園芸学研究室

    • URL

      https://sites.google.com/site/shizuokaflower/

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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