花模様は、被子植物にとって訪花昆虫の誘引だけでなく、花卉の園芸的価値を高めることに貢献している。本研究では、リンドウおよびシンビジウムを利用したトランスクリプトーム解析や代謝解析を行うことで、花模様形成に関わる制御因子の同定を行った。シンビジウムの唇弁着色には、転写調節因子MYB1とシアニンジン生合成酵素であるF3’H遺伝子の特異的発現が関与していた。一方、リンドウのストライプ模様は、裂片部におけるカルコン合成酵素(CHS)のmRNAが分解されていることで引き起こされていることが明らかになった。このように花模様形成は、植物種毎に異なることが明らかになった。
|