施設栽培は、高温期を含むほぼ周年で行われ,施設内の高温による悪影響が問題となっている.そのため、高温対策が喫緊の重要課題となっているが、遮光資材を用いた対策では、光合成に必要な光が減少してしまう。本研究では、可視光の透過量を極力低下させずに近赤外線透過を抑制するフィルムを用いて栽培環境並びに作物に及ぼす影響について検証した。熱線透過抑制フィルムの高温時における利用では、気温には影響はなかったが、地温および植物体温が低下し、ナス、パプリカなどの果菜類では収量が増加した。 高温対策での利用価値は高いことが明らかとなったが、極寒期には、減収などの課題が認められ、周年利用においては注意が必要である。
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