カーネーション、バラならびにトルコギキョウの開花過程では、花弁細胞の細胞壁からアラビノースの遊離がみられ、同時にα―アラビノフラノシダーゼ活性の上昇がみられた。カーネーションには少なくとも9つの本酵素遺伝子が存在し、そのうち2つの発現が活性変動と一致した。また、これに先立ち、アクアポリン遺伝子の発現が観察された。キシログルカン由来のオリゴ糖を生け水とともに吸水させたところ、カーネーションとキクで開花促進効果が認められた。以上より、カーネーションの開花ではアクアポリンによる水の流入と特定の細胞壁マトリックスの分解およびキシログルカンの代謝が生じていることが示唆された。
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