研究課題/領域番号 |
26450046
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研究機関 | 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
添野 和雄 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 近畿中国四国農業研究センター傾斜地園芸研究領域, 主任研究員 (50392006)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | オーキシン / 生合成阻害剤 / 開花制御 / 鮮度保持 / 花持ち |
研究実績の概要 |
小輪系グラジオラス‘ヴェルダ’を栽培し、発雷後の小花および花序を用いて4-ビフェニルボロン酸(BBo)処理による開花遅延効果について解析したところ、小花では開花遅延効果が確認できたが花序では開花遅延効果が確認できなかった。これまで小花における開花遅延効果を確認している‘シロマサ’(切り花長70cm)と比較して‘ヴェルダ’ (切り花長35cm)は花序が小さく、切り花長も35cmと半分であるが、‘ヴェルダ’においても花序では開花遅延効果が見られないことから、BBoは短い小花柄では移行するが、花柄においては移行できないか代謝されて活性を損失している可能性が考えられた。次に原種系グラジオラスである‘トリスティスコンコロール’、‘トリスティスパープル’および‘カルネウス’を栽培し、小花にBBoを処理し開花遅延効果について解析したところ、優位な開花遅延効果は確認できなかった。開花ステージごとのIAA生合成中間体類の定量分析により、グラジオラスの小花で実際に機能しているIAA生合成経路を解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
実験材料として栽培履歴を明らかとするために小輪系および原種系のグラジオラスを栽培したが、生育・発雷が揃わず十分なサンプル数を確保できなかったため、当初計画していた実験が十分行えなかった。また、内生IAA類分析の前処理としてマルチビーズショッカーによる凍結破砕を検討したが、破砕チューブの破損によるサンプルロスにより、分析の進捗が大幅に遅れてしまった。
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今後の研究の推進方策 |
実験材料としてグラジオラスを栽培することは研究進捗に制限がかかることから、今後は産地・品種を限定して小売店を通じて市場より購入する。また、マルチビーズショッカーについてはメーカーが凍結破砕専用のチューブとアルミカセットの発売を開始したことから、メーカーによるアルミカセット用ホルダー改造の上導入し、分析前処理の発雷ステージが揃った実験材料を調達することで、初年度の進捗の遅れを取り戻すことが可能である。グラジオラスにおけるIAA生合成経路を明らかとした上で、BBoの阻害作用部位の確定と回復実験を行う。BBo処理によるエチレン生成量の変動解析ではエチレン生産量のみ分析し、生合成前駆体である1-アミノシクロプロパン-1-カルボン酸(ACC)の分析は必要が生じた場合に取り組む。
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次年度使用額が生じた理由 |
マルチビーズショッカーによる分析前処理の凍結破砕でサンプルチューブの破損が発生したため、当初購入を予定していたチューブ、メタルコーンの購入を中止したため。
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次年度使用額の使用計画 |
新たに販売された凍結破砕専用のチューブとメタルコーンの購入に使用する。
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