研究課題
シロイヌナズナの赤かび病抵抗性植物のスタック系統の作出:赤かび病抵抗性及びかび毒低減化を示す下記の形質転換体について、スタック系統の作出を行った。侵入抵抗性が向上したThi2.4遺伝子の過剰発現株(Thi2.4ox)、侵入抵抗性及び進展抵抗性が向上したUBQ6/6*遺伝子のノックアウト株(ubq6/6*)、進展抵抗性が向上したNMNAT遺伝子の過剰発現株(NMNATox)、化学修飾により、かび毒蓄積が減少したTri101遺伝子の過剰発現株について、新たに2重スタック系統を作出し、赤かび病抵抗性及びかび毒蓄積についての評価を行い、NMNATox及びubq6/6*が、Thi2.4oxに比べて抵抗性向上への寄与が大きいことを明らかにした。かび毒低減化遺伝子の機能解析:かび毒解毒への関与が示唆されたHvGST13遺伝子について、大腸菌でHvGST13タンパク質を発現させ、現在精製を進めている。また、かび毒解毒に還元型グルタチオンの生成に関わるHvGR2の過剰発現株をシロイヌナズナ及びオオムギで作成し、導入遺伝子を確認した。UBQ6/6*遺伝子による赤かび病抵抗性の制御機構の解析:ubq6/6*(2重変異体)と相互作用が示唆されるSYP122あるいはSYP121の変異体との交配により、3重変異体の作製を行った。
2: おおむね順調に進展している
赤かび病抵抗性に関わる遺伝子の中から、NMNAT及びUBQ6/6*が特に有用であることが示されたため、これらの2重スタック系統と既に作出済みのかび毒低減化を示す形質転換株と組み合わせた3重スタック系統の作出により、本研究の目標を達成できる可能性が高まったため
今後は、NMNATox及びubq6/6*変異体を中心にスタック系統の作出を進めたい。さらに、作製済みのHvGST13oxとのスタック系統の作出を進めることにより、赤かび病による病徴とかび毒蓄積を共に著しく減少させた植物の作出を試みる。
次年度に、一連のスタック系統における評価をマイクロアレイ解析を行うこととしたため、消耗品等の経費を次年度に繰り越すこととなった。
一連のスタック系統における評価をマイクロアレイ解析に解析するため、関連消耗品等を経費として執行する。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (2件) 産業財産権 (1件)
Mol Plant Microbe Interact.
巻: 29 ページ: 468-483
10.1094/MPMI-02-16-0030-R
Biosci Biotechnol Biochem.
巻: 80 ページ: 414-417
10.1080/09168451.2015.1088374
The Journal of General and Applied Microbiology
巻: 61 ページ: 93-96
10.2323/jgam.61.93.
Plant Biotech.
巻: 3 ページ: 263-266
10.5511/plantbiotechnology.15.0729a
JSM Mycotoxins
巻: 65 ページ: 143-147.
10.2520/myco.65.143