本研究により、抵抗性誘導剤処理によって獲得されたイネの病害抵抗性が後代の植物に伝達される現象が見出され、その原因がエピジェネティック変異であることが確認された。従来は遺伝しないと考えられてきた獲得形質が簡単な方法で人為的に導入可能であり、次世代以降に伝わることを見出したことは学術的に大きな意義がある。また、獲得された抵抗性は、世代を超えたプライミング状態の維持に起因すると考えられた。したがって、本研究によって我々が開発した方法は、エピジェネティック変異を利用した新規の育種技術開発に繋がる可能性が高く、社会に与える影響から見ても画期的な研究成果であると言える。
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