ペプチド態窒素の土壌中での存在状態とその起源に関して研究を行なった。土壌を比重および団粒サイズにより分画し、赤外線吸収スペクトル測定により解析を行うと、ペプチド態窒素は主にシルト・粘土粒子と結合した形態で存在した。また、アルカリ抽出と三次元蛍光スペクトル測定により、ペプチド態窒素は主に非腐植物質画分に含まれ、大部分は腐植物質と結合していないと推定された。さらに、土壌中での有機物分解過程で抽出されるタンパク質量と微生物バイオマスとの間に有意な正相関が認められ、抽出されるタンパク質の一部が細菌の菌体外酵素であると同定されたことから、ペプチド態窒素の給源が土壌微生物である可能性が示唆された。
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